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親子で乗り越える

予防接種大作戦!

インフルエンザの予防接種シーズンは目の前。注射嫌いの子ども対策に、頭を悩ませているママも多いのでは。今回は、親子で一緒に予防接種を乗り越えるコツを、親業訓練シニアインストラクターの大下幸恵さんに聞きました。

●お話を聞いたのは
大下幸恵さん
親業訓練シニアインストラクター。ますだ小児科(広島市東区)の子育て相談員。親子のコミュニケーションや対人関係について講師を務める。高校生と大学生の3人の母。
https://oyaraku.com

「怖い」という気持ちに寄り添う姿勢が大事
 子どもが予防接種を嫌がる理由は何でしょうか。大下さんは「第一に、痛さから来る純粋な恐怖心。第二に『親が怒ったり、押さえ付けたりするのが嫌』という親子の問題があります」と話します。
 親は「なんとかしよう」ではなく「子どもの怖さを分かってあげよう」という姿勢で向き合いましょう。「注射が痛いのは事実。子どもが『怖い』と言ったら『そうだよね、怖いよね』と繰り返して」とアドバイス。その次に、予防接種が必要な理由を、子どもに分かるように説明しましょう。「子どもが『嫌だけど、頑張ってみようか』とちょっとでも前向きになれたらいいですね」と大下さん。避けたいのは「注射は痛くないよ」「診察だけで注射はしないよ」など、うそをつくことだそうです。「注射嫌い、病院嫌いが増すうえに、親子の信頼関係をなくす恐れもあるんですよ」

アフターフォローで絆を深めよう
 注射の後のアフターフォローはとても大切です。まずは「怖かったけど、頑張ったね」とねぎらい、さらに子どもの気持ちを受け止めて。「注射を打ったときに、ママが腕を押さえたから嫌だったね」「そうだよ、すごく痛かったんだよ」といった会話を通して、子どもはモヤモヤした思いを吐き出すことができるそう。「さっきは押さえてごめんね」と謝るだけでなく、子どもの心をスッキリさせるために話を聞きましょう。ただ、アフターフォローは焦ってしないこと。「注射の直後は、子も親も興奮状態。親が落ち着いてからでないと、口先だけの言葉になりがちです」と注意します。
 注射を、子どもとつながるチャンスと考えてみては。「親に支えてもらったから乗り越えられた」「気持ちを分かってもらえて安心した。怖さを小さな勇気に変えられた」と実感できる貴重な機会になります。「注射以外にも怖いことや嫌なことはたくさんあります。予防接種を親子で乗り越えた体験は、いろんな場面で応用できますよ」
 
■1:事前に説明

 「注射はイヤ!」という子どもには「嫌なんだね」「痛いもんね」と、まずは嫌な気持ちを受け止めて。分かってあげた上で「ママは、あなたが病気になるのが心配なのよ」「注射をしたら、病気に負けない強い体になるよ」など、説明をしましょう。一度に分からせようとせず時間をおいて説明を重ねてもOKです。
 
■2:親子で作戦会議
 注射の怖さを和らげる方法を、親子で話し合いましょう。「縫いぐるみを連れて行く」など、子どもに意見を出させることは、心の準備につながります。「ママにできることはあるかな。手をギュッとつないでおこうか。抱っこしてもいいよ」など、ママからも提案してあげましょう。
 
■3:病院では親は落ち着いて

 待合室に入ったり、診察室で注射を見たりしたら、急に恐怖心が再燃することもあります。子どもにとって、注射は大人以上に怖いもの。怖がることを責めると、萎縮して余計に嫌がることがあります。「怖いよね」と受け止めると同時に「ママがそばにいるよ。頑張ろうね」などと励ますことが大切です。親も一緒になってパニックにならないよう、落ち着いて対応を。

■4:具体的に褒める
病院で暴れてしまった子でも「大きな声であいさつができたね」「先生にシールをもらったとき、お礼が言えたね」など、できたところを見つけて、具体的に褒めてあげましょう。例えば「頑張って注射を受けたから、病気に負けない強い体になったね」と注射の効果を話すことも大切です。
 
■5:ご褒美は親にも

 予防接種は毎年のこと。「スーパーでお菓子を選ばせる」「好きな料理を作る」「遠くの公園で遊ぶ」といった“小さなご褒美”を親子で話し合って決めては。頑張ったママにもご褒美を。「スイーツを食べる」「家事をちょっと手抜きする」など、自分をいたわってホッと一息ついてもいいですね。


【ありがちトーク】どこに問題があるか考えてみましょう
■病院に行く前
「明日、予防接種に行くよ」
「え~?!」
「病気から体を守るために、予防接種はしないとダメだよ」
「え~やだ~!」
「嫌でもしないといけないの。行かないのなら、ゲームを取り上げるからね!」
 
■病院で
「注射なんて痛くないんだから、大丈夫」
「イヤだイヤだ(泣く)」
「もう、なんで泣くの!」
  

【乗り越えトーク】子どもの気持ちを受け止めましょう
■病院に行く前
「明日、予防接種に行くよ」
「え~やだ~。注射しに行きたくない」
「そうか、嫌かあ~」
「だって、痛いもん」
「痛いの、嫌だよね。でもね、病気から体を守るために予防接種は大切なんだよ」 
「そうかあ…(やらないといけないかなあ、と思い始める)」
 
■病院で
「注射を打つとき、ママが押さえたから嫌だったよね」
「注射よりママが痛かった。自分でもじっとできたのに」
「(それは無理だったはず、と思いながら)そうか。じっとできるのに、ママが押さえたから嫌だったんだね」
「そうだよ(すっきりした表情に)」

【気をつけたい言葉】泣かなくて偉かったね
子どもにとって、泣くことは大切な表現手段。「怖い気持ちを分かってほしい」「こんなに大泣きするくらい怖いんだよ」と必死に伝えています。「泣かなくて偉かった」という褒め言葉が、感情表現を妨げる可能性も…。幼児のうちは泣くことを肯定してあげると、親も気持ちがラクになります。

 


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